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Cloud9所属 TEKKENプロプレイヤーYUYUとみるゲーセンからesportsの軌跡 TAIYORO INTERVIEW

2024-10-21
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このコーナーではゲームコミュニティをまとめ上げる旗振り役やインフルエンサーの人物像とその熱意を取り上げ、TAIYOROを通して読者の新たなゲームコミュニティの発見を目指すインタビューを掲載しています。今回はCloud9に所属するTEKKENプロプレイヤー、YUYUさんの活躍と格闘ゲーム、TEKKENの今昔について語っていただきました。

自己紹介をお願いいたします

YUYUと申します。TEKKENプロプレイヤーとしてCloud9に所属して一年が経ちました。好きな動物は犬で、チワワを飼っていました。あとは甘いものが好きで生クリームが大好きです。シュークリームも生クリームが好きで、配信中もお菓子とかよく食べてるのでASMRって言われます。笑

TEKKENを始めたきっかけ

高校生の時に学校の近くにゲームセンターがあって、ちょっと学校で嫌なことがあってふらっと入ったのがきっかけでTEKKENに出会いました。元々はパズルゲームが目的だったのですが、ちょうどパズルゲームの裏にTEKKEN 5があってプレイヤーが向かい合ってやるゲームなんだとなんとなく思っていたのですが、ある日アーケードゲームの筐体を組み立てる手伝いをしたら店長さんから鉄拳の名前が入るカード、通称鉄拳カードと呼ばれるものをもらってやってみようと思って始めました。当時門限が7時だったので2時間ぐらいやって帰ってたのですが、やろうとするとすぐ乱入されて対戦になるのでわけもわからず負けることが多くて0勝20敗とかになってもう嫌だなと思って、それを家に帰って父に話したらプレステ用のTEKKENを買ってくれたんですよ。それでめちゃくちゃ練習して一年後にまたゲーセンに戻りました。今度は違うゲーセンに通ってそこで何度か勝てるようになったので、最初に通ってたゲーセンでボコボコにしてきたプレイヤーにリベンジをしたくてそこに行ったらちょうどいたんですよ。そのプレイヤーに晴れて勝って、今度はもっと強いプレイヤーがいるゲーセンを求めたくなって。当時のゲーセンってヌシがいてそこに挑んでいくみたいな感じだったのでそれが楽しかったです。 私は愛知出身なのですが、岐阜に24時間やっているゲーセンがあってそこが魔境だと聞きつけて試しに言ってみたんです。そしたら岐阜のプレイヤー10人対他県のプレイヤーみたいな感じで長蛇の列ができていて。6時間ぐらい立って並んでるだけだったんですが、そこのゲーセンは段位がないと対戦する資格がないぐらいレベルの高い場所で、またそれに感化されて週末その魔境で腕試しするのを目標に平日段位上げをするようになりました。

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TEKKENのゲームをプレイする醍醐味/大会観戦者の見どころ

やっぱりやればやるほど上達するやり甲斐があるところですね。例えばコンボができるとめちゃくちゃ楽しくなってくるんですよね。最初からランクに行ってガチャガチャ訳もわからず押すんじゃなくてプラクティスモードに行ってキャラクターが思うように動く喜びというか。観戦側の醍醐味でいうと観戦勢と言っても私の配信をみてくれてやりたくなってゲーム買ってみましたとかって人もいるので、やってなくても興味を持ってみてみるだけでもいいと思うんですよね。あとは配信者が多いのでいろんな配信者をみて応援したり、大会での醍醐味はやっぱり画面の向こう側で応援してる選手が目の前で大会に励んでるところが見れたりします。大会も大小様々なので、例えばプロ野球とかは選手がすごい遠いですけど、格ゲーの大会は基本目の前でしかも手元まで見れたりするのでそれも醍醐味だと思います。

ちなみに最新作のTEKKEN8ではワンボタンで自動でコンボ連携を行えるスペシャルスタイルが追加されましたがどう思いますか

もちろんスペシャルスタイルから始めても良いと思います。私はむしろ入りやすさとしていいなと思います。もちろん長期的に見ると技の種類の少なさどうしても限界が来るので、そこから本格的に標準の操作でTEKKENに取り組めるようになったらいいなと思いますね。大会でも使ってる人はいないのでそういう意味ではストリートファイターのモダン操作よりは使い勝手は悪いですが、イメージとしては電子ピアノの自動演奏で弾いてる気分になれるみたいな機能ですよね。

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格ゲー特有のゲームセンター主催大会文化からesportsと呼ばれる競技文化の変革についてYUYUさんが感じること

15年前にゲーセンでやっていた時は、ルール自体があんまり明確じゃなかったんですよね。今ではダブルエリミネーションが中心ですが、当時はシングルエリミネーションが主体で敗者復活戦がなかったり。それで県外に何時間もかけて大会にでて速攻で負けたらそこで終わりみたいなことがありました。あと景品なんかはゲーセンのちょっとしたアイテムから高額賞金や豪華なヘッドセットになったりして、今でももらっていいのかなって気持ちになったりしますね。あとはSNSの発達していない時代だからこそ、突然見たことのない猛者が出てきたりするのですが、今はある程度見所のある選手がわかってたりするじゃないですか。私は闘劇に出たくて最後の闘劇に出ることができたのですが、屋外会場で炎天下の中太陽光で画面も見えないみたいな状況で出場していたのでやっぱり今の大会シーンとは全然違いますね。獣道に出場して以来そこの意識の差はガラッと変わりました。ゲーセンのノリで配信したらマズいんだなとか、マナーとかあるんだなとか。そういうのは本当に変わりましたね。 今でもたまに対戦中相手のプレイヤーが蹴ってきたりしたら、「あっやっていいんだ」って懐かしくなったりしますね。今だとスペシャルスタイル連打とかで煽ったりしょうもないと思うのですが、ゲーセンの時は下段でやられたりした時に向こう側から「見えないの大丈夫?」とか「視力いくつー?」とかってヤジが飛んできたりするんですよ。それに対して「大丈夫!」とか言い返したりするんですよ。今では握手したりスポーツマンシップがあると思いますが、当時は負けで終わりたくないから「明日もまた来るよね?」みたいな意地らしさがありました。

文化やコミュニティの変化はどう感じていますか?

まず間口が広くなりましたね。ゲーセンと違って今はYoutubeなどで配信者や解説、キャラクターの対策などの情報がある程度表に出るようになったので初心者の踏み込みやすさはかなり上がったんじゃないかなと思います。ゲーセンの時代は結構嘘とかもあったんですよ。この技にはこれが入るとかって嘘の情報とか噂が広がるんですけどやってみて嘘だってわかったり。そういうのが今では気軽にプラクティスモードとかで試せるので、上達の環境が違いますよね。 あと今の時代短冊とかにプロゲーマーになりたいって書いてるのにびっくりしましたね。自分がゲーセンに通っていた頃はそんな職種がなかったですし、仕事になると思っていなかったのでむしろアーケードゲームを貯金箱って言ってましたよ。ゲーセンに行って「今日も貯金しにきた〜」みたいな。大会にでても賞金はでないですし、得られるのは称号と人脈だけですし。実は獣道に出るまでしばらく子育てでプレイする期間が空いていたので、恥ずかしながら獣道に出場する時に初めてゲーセン筐体じゃない大会や海外大会があるって知ったんですよね。esportsチームが発足して所属したり、スポンサー企業さんとつながれるようになったり。獣道に出場した後にスカウトを受けたのですがその時はいろんなことに衝撃でしたね。それから2019年にチームに所属して真っ先にアメリカの大会に出ることになって、膝上コントローラーで乗せてやったんですがやりにくすぎてボロ負け。グラグラするので技が全然でないんですよ。レスポンスもアーケード筐体と全然違くて。あとは大会が隣同士なのも不思議な感じで気持ち悪かったですね。ゲーセンだと向かい合わせなんですが、隣で舌打ちされるとか距離感の近さとか違和感しかなかったですね。まさにesportsの洗礼です。 余談ですけどレバータイプのコントローラーなんですが、あまりにも滑るので2019年以来ずっとレザーパンツはいてガニ股でやってます。笑

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2023年からCloud9に所属したことについて

前のチームを抜けてから一年近くリクルート期間があったのですが、ありがたいことに国内外のいくつかのチームにお声かけいただいたのですが、所属するにしても自分のファンだったり家族が喜んでくれるようなチームに入りたくて、前いたチームよりも大きいところがいいって思ってたんですよね。なのでその一年フリーでやってた時は「クビになってざまみろ」とか「弱いからどこからも採用されない」とか誹謗中傷されたりで苦しい時もありましたけど腐らずに配信を続けて大会をでてって続けたおかげでCloud9に声をかけていただいたので本当に続けてて良かったなと思いました。試合の時とかは父が子供の面倒見てくれたりして、家族のサポートもありながら続けられています。

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国内外での現在の活動

TEKKEN8がリリースしてかなりゲーム性が変わったので、今はまだ上達している期間として認識しています。DreamHack Dallas 2024の時に今までで一番ひどい成績で、私プール抜けられなかったんですよ。190位とかでクビになってもおかしくないのに、チームの方から今はまだ発展途上で色々試して変えてやってるのがわかっているからDreamHack Summer 2024などの大きい大会に経験を積むために出場しても良いよと言っていただいたんです。負けてすごい厳しく言われるのかなと思っていたので、これからのYUYUに期待しているからねと理解を示してくれて嬉しかったです。なので今年はとにかくいろんな大会に出て行って切磋琢磨する期間です。

TAIYOROを知ったきっかけ・YUYUさんがどのように活用しているか教えてください

TAIYOROはXでイベントの情報が流れてきたのがきっかけで知りました。普段は大会情報などは格ゲーチェッカーさんを使っているのですが、そのプラスアルファとして使えるかなと思っています。私自身TEKKENにしか興味がないので他のゲームをやったり見たりすることがないのですが、esportsの他の大きな大会を見つけるのには良いウェブサイトですよね。

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YUYUさんの今後の動向を教えてください。

今後もCloud9で良い試合をお見せできるように、そして英語力も磨いていきたいなと思っています。 配信も子供が寝た後の10時以降とかにやってますし、配信では、ランクマッチを真剣に取り組んでいることが多いですが、雑談も好きなので、気軽にコメントしてくださいね(^^)

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協力 FUTAROKU

撮影・取材 TAIYORO編集部