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FIREWORKS FIGHTER/ファイターさんが実況視点で語る鉄拳の楽しさとコミュニティの熱量 TAIYORO INTERVIEW

2025-02-18
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このコーナーではゲームコミュニティをまとめ上げる旗振り役やインフルエンサーの人物像とその熱意を取り上げ、TAIYOROを通して読者の新たなゲームコミュニティの発見を目指すインタビューを掲載しています。

今回は鉄拳プレイヤー、実況者、大会主催者、YOUTUBERなどマルチに活躍するFIGHTER/ファイターさんに鉄拳コミュニティやゲームの醍醐味などを伺いました。

自己紹介をお願いいたします

新潟県のeスポーツチーム、FIREWORKS所属のFIGHTER/ファイターと申します。普段はYouTubeのチャンネルで鉄拳の配信、火曜日は中野のRed Bull Gaming Sphere TokyoでTatakai Tuesdayの日本語実況をやっています。

金曜日にはフライ杯というカジュアルな大会を定期的に開催していたり、また不定期ではありますが、1分1ラウンド1先勝負ルールのエンタメ鉄拳大会『BREAKING FIST』といったちょっと変わった大会などを開催しています。

鉄拳のプレイヤーであり、実況者であり、大会主催者としても活動しているマルチな鉄拳プレイヤーはなかなかいないんじゃないかと思っています。笑

鉄拳を始めたきっかけ

元々ゲームが好きでいろんなジャンルのゲームやってたんですけど、格ゲーはめちゃくちゃ弱かったんですよ。小さい頃にあったスーパーファミコンのストリートファイター2とか、小学生の頃に流行った64ののスマッシュブラザーズで友達にボコボコにされて全く勝てなかったんですよね。

でもある日家電量販店で鉄拳5のデモ映像でキングが戦ってたんですよ。タイガーマスクみたいな技とかかけててめちゃくちゃかっこよくて一目惚れで鉄拳を買ったことがきっかけです。

プロレスが好きだったんですか?

格闘技をはじめとした闘いが好きだったのでプロレスは好きだったんですけど、好きな選手とかはいなかったんですよ。中学時代から岡村隆史さんが好きでお笑い芸人になりたくて、岡村隆史さんのやることを全部見ていました。。ある日テレビで芸人の岡村隆史さんがタイガーマスクの格好で番組に出ていたことがあって、そのマスクをみて「かっこいい!」と思ったことがきっかけでプロレスずきの父からタイガーマスクを教わり、タイガーマスクが好きになりました。

なので私が鉄拳をやるきっかけになったのはお笑いからタイガーマスク、そしてキングという鉄拳にはまったプレイヤーの中でも、はまるきっかけが結構特殊なパターンですね(笑)

FIGHTERさんのマスクはやっぱり・・・キングを意識してますか?

キングですね! でも今でこそこの見た目で「FIGHTER」が通じるようになりましたけど、昔はキングのコスプレイヤーだったんですよ。大会にコスプレしてきたらバンダイナムコの原田勝弘さんがサインを書いてくれるみたいな企画があって。

それでプロレスが好きなのでマスクだけ持ってたんですよ。鉄拳2のキングの青いシャツのコスチュームで行って、「キングのコスプレすごいねぇ〜!」なんて原田さんに言ってもらったりしたのが始まりなんですよね。笑

それから友達の間で大会とか試合中にマスクをつけて試合したりしてて、それが面白くなっちゃってどうせだったらキングに寄せようとベルトつけたり尻尾つけたりしてました。

それから実況として出る機会が増えてようやく「FIGHTER」として認知されるようになりましたね。 

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実況を始めるきっかけを教えてください

2019年にArslan Ash選手がEVOJで優勝して「パキスタンには自分より強いやつがいっぱいいる」と日本の鉄拳界を激震させたきっかけがあったのですが、そのArslan Ash選手との再戦を望む声が強く、翌年のゴールデンウィークに日本の強い選手とリマッチをする企画を黒黒さん筆頭にクラウドファンディングで声掛けが行われ開催に至ったんですよね。

そこでキング使いでTeam HYDEの破壊王選手と対戦することが決まり、どうしてもその試合を現地で間近で見たかったんですよ。でもその企画には観覧とかが一切なくて、どうしようかなと考えて思いついたのが実況として参加できればいいのではないかと。

それから一生懸命実況勉強して、クラウドファンディングでお金を払って対戦者の推薦ができたのですが、推薦したいのはプレイヤーじゃなくて自分を、Arslan Ash選手と破壊王選手の試合だけでいいので実況をさせて欲しいとかけあったところ黒黒さんが快諾してくださったというのがきっかけです。

ところが、その企画にいざ行ったら現場は予測不能なトラブルが続出していて、自分が実況する予定だった日にArslan Ash選手が来れなくなったんですよ。そこでDRXのKNEE選手が日本の選手と10先を行う企画に変更になり、せっかくArslan Ash選手対破壊王選手の実況でお金を払ってきてくれたのに申し訳ないのでその日全部の試合実況してくれないかと話をいただいたんです。

それで福士さんと実況と解説の形でやることになったのですが、私は1試合の想定だったのでキングと一美、ギースしか勉強してきてなくて三キャラしか実況できない状態だったんですよ。笑

配信の画面に実況解説が映らないのでスマホで技のリストを見たり、知り合いが「今の技はこうだよ」とLINEを送ってくれたのを見たりしながら一生懸命実況したら、イベントのあと黒黒さんから「結構よかったよ」と言っていただいて。

それから韓国の大会に行った際にバンダイナムコの方から「先日の実況見ましたよ、結構よかったので今後DOJO大会などで今度実況で呼んでもいいですか?」というお話をいただいて、そこから公式実況者としていろいろと出演させていただきました。そのための練習として、、ゲーセン文化が根強い当時はキャラクターのオフ会が結構あったので、そこで実況させてくださいとお願いして実況者としての実績を積んで行きました。

大変ありがたいことにキングの実況からどんどん広がって鉄拳の実況者として活動していくことができるようになりました。しかしながら、やればやるほど反省点もあるし思っていたより難しい役割だなと、経験を積んでいくごとに感じました。ですが、とても充実して楽しい時間を過ごせることも間違いありませんし、そのおかげと皆さんの応援もあってここまで実況者としての活動を続けてくることができましたね。

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チームに所属するきっかけを教えてください

基本的に実況者としてはずっとフリーで活動していましたね。一応過去に2チームほどの裏方やマネージャー業務をやったりなど、少しだけ在籍していた時期はありました。ただ、実況者としてチームに所属するのは初めてのことですね。そうすることで、実況者として箔がつくかなと思っていたところ、ありがたいことにお話しをいただきまして、新潟のFIREWORKSというチームに昨年から所属させていただくことになりました。

鉄拳のゲームをプレイする醍醐味/大会観戦者の見どころ

鉄拳8は結構できることが充実していて、対人戦はもちろん、キャラコスチュームのカスタマイズも豊富だったり、鉄拳ボールっていうボールを相手に当てて戦うモードが結構アツいです。また一人プレイモードも結構充実しているんですよ。またストーリーモードは色んなキャラクターを使うことになるのですが、「自分の使いたいキャラじゃない!」という人にはスペシャルスタイルという入力方法もおすすめです。初めてやる人にもかなりおすすめだと思うんですよね。

一番の醍醐味はやっぱりキャラクターがかっこいい、綺麗ですかね。最近だと意外にもファイナルファンタジーとコラボしたりとか。グラフィックの綺麗さでいうととてもFFと親和性が良いですし、僕たちのようなコアプレイヤーってこう、ゲームへの視野がどんどん狭くなっていっちゃうのですがこういったコラボレーションによってビジョンを広げてくれるというか幅広い層に向けてアプローチしているなと感じますね。

観戦においてはとにかく見た目が派手なので「格ゲーって相手を倒せば勝ちなんだな」ぐらいの知識の人でも楽しめるゲームだと思います。 そこにイベントや、大会などでは実況解説がのってある程度わかりやすく説明してくれるので幅広い層の人が楽しめるゲームになってるんじゃないかなと思っています。白ゲージと呼ばれる回復可能ゲージや、ヒートゲージをここでうまく使ったからこの人はすごいんだといかにわかりやすく説明するかは特に個人的な課題なのですが、とにかく見ていて楽しめるゲームだと思っています。

あとモーションが実際の格闘技を忠実に再現してるものが多いので格闘技好きは結構見てて楽しめるんじゃないかなと思います。今作のキングは本当に格好良くて、鉄拳7の時のキングはプロレス超下手なんですが鉄拳8ではキングの胸と腕の描写がパワーアップしていてそこを使った技が増えたんですよ。エルボーの技が3つも4つも増えていて、見た目のコンセプトと技のコンセプトがあっていてプロレス好きが見ていても説得力あるなと感じますね。

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鉄拳のコミュニティ大会を開催するきっかけと開催している大会の内容について教えてください

鉄拳の大会を主催するようになったのは鉄拳7からでそれまではキング総会と呼ばれるキングを使う人たちの集まりみたいなものをやっていて、どちらかというと色んな大会のお手伝いをしていました。コロナ禍でSteam版の鉄拳がリリースされた時に一気にSteam版が覇権を握ってそれからオンライン大会などが広まったのですが、自分たちはPS4版を中心に遊んでいたんですよね。その時に、「FIGHTERさん、PS4の大会ありませんか」と相談があったんですよね。

当時は今の鉄拳8のようにクロスプレイがなかったので、PS4だけの大会を開催しようと思ったことがきっかけでフライ杯という大会を金曜日に開催し始めました。 そこからだんだんフライ杯に参加してくれる人たちのレベルがどんどん上がっちゃって、まだ始めたばかりの初心者や、中級者レベルのプレイヤーでは、せっかく参加しても上級プレイヤーに負けてしまうことが多くなってしまったのですよね。そこで『フライ杯』とは別に段位別の大会を開催することが必要かなと考えました。、とにかくコミュニティの声に応えていきたいという思いでやっています。

おかげさまでフライ杯は鉄拳7で100回、鉄拳8で22回開催することができました!ありがとうございます!!また、『フライ杯』や段位別大会といったシンプルな大会を開催している傍らに様々な大会、例えばスペシャルスタイル限定大会、先ほどもちょっと話にあげた1分1ランド1先勝負の『BREAKING FIST』といった大会も開催しました。これは私が最近主催している大会の中でも一番盛り上がっていまして、非常に人気のある大会となっています。。たとえ相手がプロゲーマーであっても、1ラウンドくらいなら勝てそうと思ってみんな参加するのですが、これが結構な緊張感で盛り上がるんですよね。

僕はコミュニティをとにかく盛り上げるのが楽しいし、コミュニティから出させてもらってる立場でその恩返しがしたくてやっています。皆さんのことちゃんと忘れてないですよ、一緒に盛り上げて鉄拳を押し上げていきましょうと日々活動しています。

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鉄拳のゲーセン文化からesports文化に変わったことで実況の仕方などに変化はありましたか?

めちゃくちゃ変わりましたね。ゲーセンって結局そのゲーセンに通う人たちが盛り上がればいいので、身内ネタや実況者がプレーヤーをいじるなんてこともあったんです。でもそれは公式大会や大勢が見る大会ではもちろんできないわけですよね。ゲーセンだとちゃんと技名知ってるだけでもすごかったりするので、『青ライ』みたいな通称名じゃなくてちゃんと『リーサル・ライジングブレード』って正式名称で実況したりするだけでゲームのことを良く知ってると思ってもらえたりするのですが、公式大会とかだと知ってて当然なんですけど、技名ばかりいうと逆にくどくなってくるし、あまり鉄拳に詳しくない人からしたらパンチとかキックって言ってくれた方がわかりやすかったりするんですよね。

なので鉄拳勢にしかわからない言葉ばかり実況で使っても鉄拳コミュニティは初心者に優しくないぞと思われてしまったらそこから楽しめる人が増えていかないので他のゲームから鉄拳を見始めた人もいかに楽しめるか、一方で鉄拳のコアファンが物足りなさを感じない実況を研究するようになりましたね。

あとはなんとなく聞いたことがある言葉などを使ってみたら全然使い方が違うとか、SNS投稿したりするときも言葉の使い方があってるかなど、esportsの影響で人にみられていることをとにかく意識するようになりました。

TAIYOROを知ったきっかけ、Fighterさんの使い方・アイデアなど

鉄拳のコミュニティリーダーが集うLINEグループがあるのですが、そこで鉄拳選手のJonaくんがTAIYOROの情報を流していたことがきっかけで知りましたね。

大会の参加表明ができたり、それこそ『BREAKING FIST』みたいな誰が勝つか様子できないイベントでピッケムを活用して勝敗予想などできたら面白いんじゃないかなと思いましたね。 あとはイベントの登録や編集などがコミュニティ側でできたら使い勝手がいいですよね。

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今後の動向を教えてください。

実況としては鉄拳 WORLD TOUR 2025の大会で公式実況ができたらと思っています。今年はプレイヤーとしてもまた一つ頑張っていきたいとかなり練習をしていますし、動画編集者としてマルチに活躍しながら自分の開催する大会でも盛り上げられたらなと。あとなにかもうひとつ手に入れたいなと思っていて、今年もとにかくチャレンジしていきたいと考えています。

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撮影・取材 TAIYORO編集部