TAIYORO ロゴ 画像
TAIYORO

TEKKENと共に歩む:ハワイ最強Jona選手の人生と挑戦 TAIYORO INTERVIEW

2024-08-05
thumbnail

このコーナーではゲームコミュニティをまとめ上げる旗振り役やインフルエンサーの人物像とその熱意を取り上げ、TAIYOROを通して読者の新たなゲームコミュニティの発見を目指すインタビューを掲載しています。今回はTEKKENのハワイ最強プロ選手に始まりさまざまな肩書きで活動するJonaさんにお話を伺いました。

簡単に自己紹介をお願いいたします

Jonaです。普段は会社員をしながら鉄拳のプロ選手として活動していますが、ゲームをしつつ、仕事しつつ、日々を楽しむことをモットーに生きています。笑 ゲームイベントの開催や運営に携わることもありゲーマーが楽しかったなと思える機会を作ることは大会で勝つことと同じぐらい嬉しいことだと思っています。 仕事内容がウェブディレクターなのですが、マーケティング対象がゲーマーだったりすることもあるのでそちらもゲームと関係する内容があったりするのでコミュニティと密接に関わっている自分の経験も生かせる場所で働いています。

選手として活動を始めたきっかけを教えてください

ゲームで人と競うのが好きで保育園の時から地元の大会に出ていました。親がゲーマーなこともあり当時はNINTENDO64のスマブラ、マリオカートやロックマンエクゼなどの大会にでたりしていました。「もうガチで大会に勝ちたい!」と意気込んで大会に出るようになったのはワールドホビーフェアのスマブラDXがきっかけだったと思います。当時は大人や中高生に囲まれて出場して勝てるわけもなく。でもとにかく一つのイベントで複数の大会に出ることが楽しみでした。

そんななか中学校の受験期に、塾の休み時間の息抜きとして友達3人と近くのバッティングセンターによく通っていたのですが、そこで初めてTEKKEN 5と出会いました。当時は難しいなと思いながらメダルゲームの方が好きだったのですが、次第に3人のうち一人がTEKKENにハマり強くなっていったことによって、ただ友達とゲーセンで盛り上がっていただけのゲームから悔しさからTEKKENをうまくプレイしたいという気持ちに変わっていきました。とはいえ受験もあったので真剣にやり出したのは高校生からで、部活終わりにTEKKENをしにゲーセンに通う日々が続きました。

TEKKENって大きな派閥があって、立川勢、新宿勢、巣鴨勢。自分は荻窪勢だったのですが荻窪のコミュニティはすごくあったかくて店員さんが声をかけてくれたりして他のプレイヤーを紹介してくれたり、教えてくれたりするとても良いコミュニティでした。

対比で言うと高校が阿佐ヶ谷だったのですが阿佐ヶ谷のゲーセンだと対戦相手が負けた時に椅子が飛んできたり灰皿飛んできたり結構殺伐としたゲーセンがあったりしました。 そんなこんなで荻窪のゲーセンでTEKKENの大会があったりして、全然勝てるわけじゃないけどそこから大会に出るようになりました。2 on 2の試合なんかもあったりして、強い人と組めれば優勝もありえるようなルールもあって強い人と知り合うきっかけがあったりとか、そういうのがとにかく楽しかったです。なのでこの時は「選手になるぞ!」と言う意気込みよりは「大会あるんだけど出ない?」みたいなノリで出ていたことが多かったです。

TEKKEN 7のロケテストのタイミングから本格的にTEKKENに取り組むようになりゲーセンに入り浸るようになりました。初めて大きな大会に出たのは闘劇と言うイベントで、その予選を突破した時に初めて全国に出る気持ちよさというか、その時にしか感じられない緊張感みたいなものが楽しくて。本戦の初戦が韓国の代表チームだったんですがギリギリ負けちゃって。勝つ流れだったのが、一ヶ所自分がひよっていつもだったら行くところを行かずに安定行動をしたら相手のラッシュが止まらず逆転されて負けてしまったんですよ。昨日のように鮮明に覚えているんですけど、あの時にやっぱりTEKKENは面白いなと再認識しました。

そんなこんなで大学卒業後にTEKKENから少し離れて飛行機の免許をとるために単身アメリカのハワイに行くことにしました。語学学校に通ったり、航空訓練をうけたりしていたのですが、ずっとやってたTEKKENから1ヶ月ぐらい離れていたのでどうしてもやりたくて現地でTEKKENの大会ないかなと思いネット検索したらいくつか出てきたので顔を出してみたんです。向こうはゲーセン文化がないので、ゲーセン筐体ではなくPS4版のTEKKEN 7が使われていて、そのイベントではアーケードコントローラーがないと参加できないルールでわざわざ1時間先のお店で400ドルもするコントローラーを購入し出場しました。PS4版のTEKKEN 7ってアーケード筐体よりも数年後にリリースされていて、当時発売して数ヶ月とかだったんですよ。自分は大学時代にずっとゲーセンでやりこんでいたので、当然上手い人はいるんですが歴が違いすぎて初戦で優勝候補選手相手に圧勝して会場がどよめきそのまま優勝。そしたらいろんなプレイヤーから声をかけてもらって、「毎週ここで大会やってるからきてよ」とか「あの選手強いから対戦してよ!」とか色々かけてもらい、毎週末誰かしらの家でホームパーティしながらTEKKENするみたいな日々を送っていました。自分がいたのはオアフ島だったのですが、マウイ出身のハワイを代表する強いTEKKEN選手がいて、大会でその選手に勝ったことで晴れてハワイ最強になりました。 長い前置きでしたがハワイでの実績もあって、帰国後当時フリーランスで取引をしていたセルプロモートから選手契約のお誘いがあって晴れてプロ選手になりました。

噂によるとパックマンの世界チャンピオンをとったこともあるとか

中野にあるRed Bull Gaming Sphere Tokyoで誰でも勝つチャンスがあるゲームをピックアップした大会をやっていた時に、偶然BANDAI NAMCO公式主催のPAC-MAN CHAMPIONSHIP EDITION 2が開催されることになって、いけるかも?と思って出場したら優勝しちゃいました。でも本当に大変なイベントで、PAC MAN最高難易度を2名で高得点を争う10本先取ルールだったんですよ。通常あまり詳しくない人がやると40秒ぐらいで終わるゲームなんですが、自分を含めて二人だけ5分ぐらい生き残るので、まさかイベント主催者もそこまでやりこんでいるプレーヤーがいるとは思わず大幅に予定時刻をすぎ、5時開始の深夜まで大会が延長、決勝戦で9-10の接戦を繰り広げた末に勝利を勝ち取りました。 相手選手はマレーシアの大会で優勝している猛者で、片やこっちはただの鉄拳プレイヤーという不思議な構図でしたが壮絶すぎて鉄拳のどの大会よりも気合いが入る大会でした。笑

null

TEKKENについて、醍醐味について教えてください

やっぱり映像が綺麗って言うところは格段に他のゲームと比較しても優れているところだと思います。そう言う意味で試合も楽しんでみれるんじゃないかなと思っています。そのほかにキャラクターそれぞれの魅力だったりコンボの派手さなんかも魅力だと思います。特にスローモーション演出などがあったりするので「どっちが勝つんだろう!」って言う引き込みが上手だと思います。 プレイの面で言うとコンボができるようになっていく過程を楽しめるゲームだと思っています。ただ連打するところからコンボを見出して練習したコンボを実際の対戦で使えるようになるというコツコツ上達できるゲームだと思っています。

格ゲーはゲーセン文化からesports文化への変化を大きくうけているジャンルの一つだと思いますが、Jonaさんはその変化をどのように受け止めていますか?

TEKKENに関して言うと、大会などでヤジの飛ばし合いみたいなのが当たり前のようにあったのがTEKKENコミュニティなんですよね。「コンボやすっ!」とかコンボのタイミングで掛け声とか、で、終わったら「ありがとうございました」で終わるのが結構コミュニティの面白いところだったりもするんですが、esportsとして変化したことによってそういったことはなくなりましたね。

技術面で言うとゲーセン筐体はゲーセン側で管理されているものだからこそ、レバーの硬さなどで言い訳ができたりして、アケコンが当たり前になってからそう言うのはできなくなったと言う意味ではかなりフェアになってきたのかなと思います。

新しいコントローラーがでてそれを使っている選手がずるいと思うなら自分もそれを使えば良いしその辺は今の方が整備されましたね。一方で金銭的投資は増えたと言う意味では参入のハードルは少し高くなったような気はしますね。また、オンラインで大会ができるようになったことでオンライン対戦が強い選手は増えたのですが、やはり格ゲーは主要な大会がオフラインなのでその辺のギャップはあると思います。

あとはVALORANT好きからすると嬉しいことなのですがesports文化が確立されていくにつれてNavi、FNATIC、T1などビッグチームがTEKKENに参入しているのも大きな変化ですね。

null

今はTEKKENのコミュニティイベントはもちろん、他のゲームタイトルのコミュニティを開催していることには何か理由がありますか?

単純に自分がゲームが好きって言うのはありつつ、イベントに参加した人がゲームを楽しんでくれたとか知り合いが増えたとか、参加した人のゲームへの楽しさが増えていくことを目の当たりにしてきたからこそTEKKENに限らず自分が好きなゲームでもイベントを開催することで体験してもらえたらいいなと思ってVALORANTなどのイベントもやっています。特にゲーセン文化で育ってきた自分からするとオンラインゲームはネットの友達で終わってしまうことが多い気がしていて、オフラインで一緒に遊んだり大会を観戦する楽しみを味わってもらいたいなと思ってます。

TEKKENのイベントではCELLPRO CUPを主催していますよね

CELLPRO CUPは元々中野にあるRed Bull Gaming Sphere Tokyoがオープンした時にTEKKENコミュニティにも場所を知ってもらうために会社と共同で何か開催しようと思い2019年に始めました。 また同イベントでDOJO大会と言ってバンダイナムコ公式の賞金制大会を何度か開催しています。

null

TAIYOROを知ったきっかけ・Jonaさんがどのように活用しているか教えてください

TAIYOROは知り合いに教えてもらってからValorantやApex Legendsの観戦に役立ててます。配信時間や配信先も詳しく載っているのでウェブサイトで確認したり、いいね機能を使って気になるイベントの大会日程がわかるのは助かってます。

TAIYOROはいろんなゲームイベントをカレンダーにまとめていますが、例えばValorantの公式大会ですら1箇所にまとめられてなかったりするのでスケジュールが一目瞭然なのはありがたいですね。あと小さなイベントも掲載されているのはすごいですよね。一体どこから見つけてくるんですか?笑

null

Jonaさんの今後の動向を教えてください

今後の動向!笑 そうですね・・・世界一・・・!とまでは言わないけど、もっとTEKKENに向き合いたいですね。 表面上しかわからないTEKKENともっと会話したい。TEKKENで勝ちたい。応援してもらえる選手になっていきたいですね。とはいえ、それを言い訳に今やっているValorantのイベントなどをサボるのは面白くないので、ちゃんとそっちもやりながらですね。8月にまたTEKKENで2 on 2の大会をやるのでそのクオリティもしっかり高めていきたいですね。前回配信周りを整備してリプレイを追加したりしたのですが、結構よかったので今後も参加者はもちろん視聴者にとっても楽しめるイベントにもしていきたいです。

CELLPRO CUP round 4 詳細は下記からご覧いただけます↓ null

Jona X

撮影・取材 TAIYORO編集部